小型トラックに積まれた約1千冊の本の中から、親子が1冊の絵本を手に取る。鳥がさえずる神社に腰掛け、本との出会いを楽しんでいた。
今春にリニューアルした名古屋市の「自動車図書館」だ。常設の図書館から1・5㌔以上離れた公園など111カ所を1カ月半かけ、4台が巡回する。
以前は2台の大型マイクロバスだったのを、小回りの利く小型トラックにして台数を増やした。
自動車図書館が始まったのは、1956年。当初は、地区住民や職場などの団体向けに貸し出していた。時代が移り、読書は個人的に楽しむものへと変化。団地などへも巡回するようになった。利用する人は、ベビーカーを押した主婦層や子どもから、今では年輩者が多いという。
休日には、機動力をいかしてJR名古屋駅前などで開かれるイベントへの参加も始めた。その場で本を借りることができるという。
今日は、どこで本との出会いが生まれているのだろう。(小玉重隆)